短評:『ウルフなシッシー』

「女、男、泥仕合。 世紀の80分間ノンストップ痴話喧嘩!」第18回TAMA NEW WAVEでグランプリ・ベスト女優賞・ベスト男優賞を受賞したコメディ。

最終日、駆け込みで観にいこうと上映1時間前にチケットを購入し19時の上映開始までぶらぶらと時間を潰して時間が近付いてきたので劇場へ戻ったところ満席完売の文字。
1日1回(19時~)のみの2週間イヴニング上映、これがなかなかハードルが高い。SNSなどでざわつき始めた頃にはラスト2日前…など度々経験しているので間に合ってよかった。
しかし中には群馬県から4回通ったというお客さんもいてびっくり、甘いな自分。

男女の痴話喧嘩をみるために1500円払うという行為というのはなかなか無いだろう。
しかし(夫婦ではないけれど)夫婦喧嘩は犬も食わないというし、プライベートな、聞いてもしょうがないようやりとりを80分間聞いてどうするんだという話、にならないのだこれが。
2人が喧嘩している間、笑いが止まらなかった。いや、もしかすると男女の痴話喧嘩というのは第三者からみればコメディでしかないのかもしれない。真剣に話そうとすればするほど可笑しいし、そして彼らの喧嘩をみているうちに、2人がどういうカップルなのかというのが見えてくる。喧嘩しかみていないのに。
大野監督演じるフェチズムな新米AV監督辰夫はその佇まいだけでも笑いがこみ上げてくるし、パチンコ依存症の売れない女優アヤの死んだような目が最高に可愛い。
低予算のため監督が自ら主役を演じたり、ところどころにインディー独特な雑味を感じるのだが、それがむしろ内容とマッチしていて、リアルな空気を醸しだしていた。

■監督:大野大輔
■出演:根矢涼香/大野大輔/真柳美苗/中村だいぞう/本村壮平/小池首領/田中一平/椎名綾子/高橋信多/増井孝充/三原哲郎/下城麻菜/相田淑見/志津将寿/大友久志/しじみ
■上映時間:79分
■配給:楽しい時代/モクカ